オステオパスとしてのキャリアは、学校を卒業するという節目を超えても終わることなく、知識や技術の継続的なアップデートが求められます。そのため、卒業後の継続教育が重要になってきます。その中心となるのは、専門書籍を読むことやセミナーへの参加を通じた学習です。JCOには「知音会」というOB・OG会があり、様々な勉強会やセミナーを通じて、卒業生たちが学び続けられる機会を提供しています。
ここ最近は新型コロナウイルスのパンデミックによる影響から、こうした活動も一時的に制約される状況となっていました。しかし5月に入り、久しぶりに勉強会を開催することができましたので、今回はその様子を少しご紹介したいと思います。
今回のテーマは「後縦靭帯骨化症」でした。これは、指定難病であり、オステオパスとしてはそれほど多く遭遇するものではないものの、日本人に多い疾患とされています。そのため、海外のオステオパシー関連の論文にはほぼ言及されていません。今回の勉強会では、実際にこの疾患を持つクライアントの施術経験のある参加者による症例紹介が行われ、また最近出版された診療ガイドラインを通じて最新の医学的知識についても確認しました。
症例のシェアでは、参加者の約7割が「後縦靭帯骨化症」を有するクライアントの施術経験があり、その中でも痛みや不快感などの症状軽減において良い結果が得られていることが分かりました。さらに、硬膜へのアプローチの事例など、オステオパシーならではのアプローチも紹介され、新たな発見や気づきも得られました。
「知音会」ではこうした臨床や専門知識に関する勉強会の他、臨床テクニックに関する練習会や経営に関する勉強会など、様々な活動を行っています。また学生と卒業生が交流できるようなイベントも、近年は行えていなかったのですが再開できたらと考えています。卒業してもオステオパス同士でレベルを高め合える環境は、我々にとってとても貴重で大切なものです。今回はこのような活動の一旦をご紹介いたしました。
執筆者:佐藤 鉄也
JCO 講師
JCO 広報・マーケティング担当