テーマ:「腰痛へのオステオパシー的アプローチ」
講師:JCO学長 平塚 佳輝, BSc(Hons)Ost., MRO(J)
開催日:2022年10月16日(日)

第3回「オステオパシー入門セミナー」を、今回はオンラインで開催いたしました。

このセミナーは、オステオパシーに興味を持ったが、「オステオパシーってどんなものなのだろう?まだよくわからないし、もっと知りたい」という方のために、毎回さまざまな切り口でオステオパシーを紹介していく企画です。

今回はオンラインということで、治療テクニックを実際に行うのではなく、オステオパシー的に腰痛を診ていくプロセスについて、その全体像を学びました。

腰痛は腰の問題? - 腰痛に関連する身体の構造 –

痛みを起こしている腰は、どのような構造をしているのか。そしてどのような機能をするところなのか。骨や関節、半月板の性質や形状、機能面の特性など、はじめにそのメカニズムとデザインについてみていきました。

次に、腰痛を診ていくうえで関係する、様々な理論やモデルをみていきました。腰痛には必ず理由がありますが、それが腰にあるとは限りません。

「全体病変理論」や、「片持ちモデル」、「腹腔内圧モデル」、「プラスティック・アーチ・セオリー」、「水圧増幅モデル、の4つの動作モデル。「内臓体性反射」や「体性体性反射」などの神経学的な影響。近年「アナトミートレイン」などで注目されることも増えている、筋膜の連続性などをベースとした、離れた部位に影響する筋骨格系の影響など。

これらを踏まえて腰痛を診ると、診るべきポイントは腰だけではなく、前側の腹部であったり、内臓であったり、腰からまったく離れた場所であったりもしてきます。 また、歴史的にみると、日本人の腰椎の変形は稲作の導入に始まるという説もあり、日本の伝統的な生活習慣や現代人のライフスタイルが腰痛に関わっている、というお話しもありました。

腰痛は腰の問題? - 腰痛に関連する身体の構造 –

痛みを起こしている腰は、どのような構造をしているのか。そしてどのような機能をするところなのか。骨や関節、半月板の性質や形状、機能面の特性など、はじめにそのメカニズムとデザインについてみていきました。

次に、腰痛を診ていくうえで関係する、様々な理論やモデルをみていきました。腰痛には必ず理由がありますが、それが腰にあるとは限りません。

「全体病変理論」や、「片持ちモデル」、「腹腔内圧モデル」、「プラスティック・アーチ・セオリー」、「水圧増幅モデル、の4つの動作モデル。「内臓体性反射」や「体性体性反射」などの神経学的な影響。近年「アナトミートレイン」などで注目されることも増えている、筋膜の連続性などをベースとした、離れた部位に影響する筋骨格系の影響など。

これらを踏まえて腰痛を診ると、診るべきポイントは腰だけではなく、前側の腹部であったり、内臓であったり、腰からまったく離れた場所であったりもしてきます。

また、歴史的にみると、日本人の腰椎の変形は稲作の導入に始まるという説もあり、日本の伝統的な生活習慣や現代人のライフスタイルが腰痛に関わっている、というお話しもありました。

オステオパシーの思考プロセス

臨床において、オステオパスは、以下のようなプロセスを経て、問題を見極め、施術を行っていきます。

問診で情報を集める

重大疾患の除外

情報を基に仮説を立て、仮説を立証するための検査プランを立てる

検査の実施(神経学的検査 / 整形外科検査 / 能動検査 / 受動検査)

検査結果の考察

施術プランを立てる

問題に合わせたテクニックの実施

今回のセミナーでは、腰痛という症状についてこのプロセスに基づいてみていくと、どのようなことを実際に行っていくのか、少し具体的に紹介していきました。

なんの原因もなしに問題が起こることはありません。ではどういったものが原因となりうるのか?またなぜそのような問題が起きるのか?腰痛に関していえば、スポーツなどで腰椎に直接的な負荷がかかるケースや、姿勢などの生活習慣が原因で起こることが考えられます。

目の前のクライアントの中に真実はあります。その問題の仕組みを見つけて、解決する道筋をみつけていく。それがオステオパスの役割です、というお話しでした。

セミナーで得られたものは?

基礎医学の知識を基に、身体のどこに腰痛に関連した問題があるのか、理論的に診ていくオステオパシーの思考プロセスについて、垣間見ることができたのではないかと思います。

また、質疑応答では、具体的な治療法についての質問もありましたが、絶対的な方法はなく、問題に合わせてその時々で最適なテクニックを見つけていく必要があることを強調されていました。

理論やパターンにクライアントを当てはめるのではなく、クライアントを中心に必要なことを判断して行っていくオステオパシーの臨床のあり方についても、少しご紹介ができたのではないかと思います。 本セミナーへの参加によって、オステオパシーに対する興味がさらに深まってもらえたようだと嬉しいです。

次回セミナーのご案内

入門セミナーは、今後も不定期で開催してまいります。

次回、第4回入門セミナーでは、オステオパシーのメジャーな治療テクニックの一つである「筋肉エネルギーテクニック」の入門編を、2023年2月に対面で開催する予定です。

詳細は後日、本ホームページ等でお知らせいたしますので、興味を持たれた方はぜひご参加ください。